東京「チャランケ祭り」が存亡の危機
2010年11月22日7:58PM
アイヌと琉球民族の歌と踊りの祭典、チャランケ祭りが3日、東京・中野駅北口広場で行なわれた。今年で17回目を迎えるが、毎年利用してきた北口広場が今年閉鎖されるため、来年以降の開催が危ぶまれている。
祭りは沖縄伝統の「獅子舞~旗すがし」とアイヌ民族の儀式「カムイノミ」で始まり、演奏「朝鮮民謡・農楽」など、多様な民族の踊りや歌などが披露された。
チャランケとはアイヌ語で「とことん話し合う」、沖縄の言葉で「消えるなよ(チャーランケ)」という意味。毎年、世界各地の先住民族を招いたり、日本各地からも伝統芸能を携えて集まった。
しかし広場の閉鎖でこの場所での祭りは今年が最後。中野区によると、駅からの歩道橋が設置されるため、現在ある広場には作業ヤードと仮駐輪場施設ができるのだという。
もともと北口広場は「ナイキ化」工事で強制排除と封鎖が行なわれた渋谷の宮下公園と同様、イベントや集会で多くの人が集まり、文化を発信してきた。
チャランケ祭り2回目から実行委員を務める中島悦子さんは、「ここでやれるのは最後だが、やりたい気持ちがあればどこかでやれる」と語る。しかし、来年度以降の祭りの場所は見つかっていない。祭典の最後は実行委員長・沖隆寿さんの「今年で最後にはしたくない」という言葉で締めくくられた。
(根岸恵子・ルポライター)