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水俣病の責任はどこへ

2010年11月28日5:14PM

  水俣病特別措置法のもとでチッソが進めている事業再編計画。これによって、原因者責任を消滅させてはいけないと三日、東京でシンポジウムが開催された。

  再編計画の柱は、チッソの事業部門を引き継ぐ子会社の設立(分社化)だが、一方で残る補償部門を担当するチッソ(親会社)は、子会社株の売却による計画的倒産(原因企業の消滅)を行なう可能性もあり、被害者らを不安にさせている。先月、再編計画案が掲載されたチッソのウェブサイトには、株売却の記述はなかったものの、それを否定する記述もなかった。

  シンポで除本理史氏(東京経済大学教授)は、「親会社、あるいは子会社が責任を継承したり、親会社が清算消滅せず存続し、原因者責任を保ち続けることも選択肢としては可能」と話し、この点を再編計画に盛り込むことは、特措法で排除されていないと説明した。  また、特措法を根拠とした特例が適用される分社化は、国民の意見を反映した内容にする必要があるとし、チッソと国にはその責任があると述べた。

  シンポの最後には、計画案からはチッソが将来にわたって水俣病の責任を継承し続けることが確認できない等の理由から、再編計画案に賛同できないとするアピールが採択された。

  翌四日、水俣病被害者互助会がチッソ本社で面談した堀尾俊也総務部長は、ネットで公開した情報が不十分だという指摘に対して、「あくまでも案。これから内容を完成させる」と説明した。

  分社化に必要な環境大臣の認可を得る前に患者団体や市民に説明をするかについては、「周知させるのかどうか、時期も含めて検討する」とだけ回答した。

(奥田みのり・フリーライター)

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