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刑事告発された「人体の不思議展」――日医・懇談会でも問題視
2011年2月22日7:01PM
一月三一日に開かれた日本医師会・生命倫理懇談会では「人体の不思議展」が議題となり、「『人体の不思議展』に疑問をもつ会」の末永恵子・福島県立医科大学講師が講演。討議も行なわれた。
かつて同展を後援していた日本医師会だが、会員内で疑問を持つ声が高まっていた。
日医理事の小森貴・石川県医師会長は昨年八月二四日、理事会に対し、同展に関する議題を提出。「実際のご遺体を商業ベースで展示されることは容認できるものではない」、「日本医師会が主体性を持って、人体の不思議展に対する公式見解を表明すべきと考えるが如何か」と提言。
今回の懇談会は、そのような状況下で行なわれた。末永さんは医科大学教員として解剖慰霊祭の風景に毎年接し、歴史研究者として植民地医学の歴史を踏まえ、現在の人体利用について考えることから同展の問題点に取り組むようになったと話した。
当日は高久史麿座長などの懇談会メンバーだけではなく原中勝征・日本医師会会長も出席した。
末永さんは「ほとんどの参加者は人体展に倫理的な問題点があると言い、死体の商業利用についての法規制を求める意見が多かった」と述べた。また、医師会が過去に後援・賛同していたことについては「検証が必要だ」と話した。
なお、京都工芸繊維大学の宗川吉汪名誉教授らが同展に対して行なった刑事告発について、京都府警は二月一日、正式に受理した。
(小林拓矢・ジャーナリスト、2月11日号)