女性・子ども・性的マイノリティ――災害時の性暴力防止を要請
2011年4月20日2:01PM
災害時に起こる問題の一つとして女性や子どもが受ける性暴力・暴力被害が指摘されている。そのため内閣府男女共同参画局は三月一六日、「女性や子育てのニーズを踏まえた災害対応について」を災害対策本部に提出。関係機関への周知とともに、性犯罪防止の観点から警察庁にも同要望書を提出して警備強化を含めた対応を依頼した。
主な内容は
【1】被災地への輸送物資に含めるもの→生理用品、おむつ、粉ミルク、哺乳ビン、離乳食
【2】女性や子育てに配慮した避難所の設計→プライバシーを確保できる仕切りの工夫、男性の目線が気にならない更衣室・授乳室、入浴設備、安全な男女別トイレ、乳幼児への対応
【3】女性のニーズ等を反映した避難所の運営体制等→女性ニーズの把握、避難所の運営体制への女性の参画、地域の医療機関や保育・教育機関、男女共同参画センター等との連携、悩み相談サービスの提供と周知
【4】女性に対する暴力を防ぐための措置→警察など関係機関における警備強化、性犯罪等についての相談サービスの提供、安全な環境の整備
【5】妊婦等への配慮→病院・産院への迅速な搬送、高齢者・障がい者・外国人の直面する困難への適切な対応など。
また、性的マイノリティに対する理解不足から生じる被害も懸念される。”共生社会をつくる” セクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワークは三月一七日、性的マイノリティの避難所での生活は、日ごろの生活以上に大きなストレスを強いられ、深刻な二次被害を招きかねないとして緊急災害対策本部あてに要望書を提出。救援活動は「男女別」に限定しないでほしい、性的マイノリティへのハラスメントや性暴力の予防措置および被害者の相談・支援体制を確立してほしい、同性パートナーも「世帯」として扱ってほしい、などの要請を行なった。
(宮本有紀・編集部、3月25日号)