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【ドイツ】原子力フォーラム開催――原発ロビイストの集会に反発する市民も

2011年6月7日8:26PM

原子力フォーラムの会場に向かう原発ロビイストたち。(撮影/矢嶋宰)

 ベルリンでドイツ原子力フォーラムの年会合がこのほど開かれた。一六カ国から一六〇〇人が参加した大規模な原発ロビイストたちの集会だ。

 一九五九年に ”核エネルギーの軍事目的以外の利用” を推進するために設立された同フォーラムの会員は主にエネルギー産業界の関係企業・個人が占めるが、学者や研究機関なども在籍しており、日本で言えばさしずめ「原子力村」というところで、原子力産業の広報・推進を行なっている。実際フォーラムの座長にはドイツの電力コンツェルンの一つであるエーオンの役員、ラルフ・ギュルドナー氏が就任している。

 このドイツ原子力フォーラム、一応は公益団体と称したうえで運営活動しているわけだが、その公益性を疑問視する声も国内には大きい。環境保全という美名を逆用したグリーンウォッシュ団体としても批判されており、二〇〇七年には民間団体が運営する「欧州ワースト・ロビー・アワード」からワースト・グリーンウォッシュ団体に指定されている。

 また〇九年には当時環境庁長官だったジグマー・ガブリエル氏(社民党)が原子力コンツェルンのプロパガンダセンターだと批判。「核エネルギーの商業利用につきものの危険性を意図的に隠し、端に追いやり、過小評価する、まれに見る機関」と明言している。

 今回の会合でも座長のギュルドナー氏は「福島の事故で国民は過剰反応気味。政府の脱原発決定はナンセンス。安全に関してわが国ほど高水準なところは世界中どこにもない」といいのけた。こうした言葉は、日本の原子力村からも幾度となく聞かされている。

 会場周辺では市民が連日デモやイベントを行ない原子力フォーラムの不当性をアピール。会場に入ろうとする原発ロビイストたちをブロックする場面もあった。

(矢嶋宰・フォトジャーナリスト、5月27日号)

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