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クラスター爆弾製造への関与リスト――日本の5金融機関が投融資

2011年6月15日10:39PM

 オランダとベルギーのNGOがこのほど、クラスター爆弾を製造している企業に投資・融資している世界の金融機関のリストを公表した。日本からは、大和投資信託、三菱UFJフィナンシャルグループ、みずほ銀行、野村、住友信託銀行の五機関がリストの中に含まれている。
 
 これは金融機関と兵器産業や人権問題等の関係について調査しているベルギーの「ネットワーク・フランデーレン」とオランダの「パックス・クリスティ」が合同で二〇〇九年より発表している報告書『クラスター爆弾への世界の投資:共通した責任』で明らかにされたもので、今回は一〇年度の改正版。
 
 同報告書によると、世界では一六六の金融機関が製造企業に投融資を行なっており、その総額は三九〇億ドル(約三・二兆円)に上る。国別では、米国(七三)、韓国(二六)、中国(二一)、英国(一二)となっており、日本はフランス、ドイツと同じ五機関。

 報告書では、製造企業への関与の度合に基づき「名誉リスト(投融資を禁止)」、「次点リスト(取り組みが不十分)」、「不名誉リスト(投融資している)」と格付けしているが、日本の五機関は不名誉リストに入っており、名誉、次点リスト入りした機関はない。

 クラスター爆弾は、不発弾も多く長期間にわたって民間人の生命を脅かす無差別兵器で、その製造、使用、貯蔵、譲渡は一〇年八月に発効した条約で禁止されている。同条約には投融資を明確に禁止する条項はないものの、アイルランドやニュージーランド、イギリス、ベルギー等一四カ国が投融資は禁止されていると解釈し、国内法で禁止している国もある。

 日本は条約の締約国であることから、条約発効直前に三大メガバンクが内規で投融資を禁じた他、一〇年一〇月には全国銀行協会がクラスター爆弾の製造を資金使途とする与信を行なわない旨を発表した。

 しかし、報告書の名誉、次点リストに含まれた金融機関がないことからも明らかなように、情報開示、説明責任等を含め日本の金融機関の取り組みは十分とは言えない状況にある。

(目加田説子・中央大学教授、6月3日号)

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