福島原発「廃炉」の声を集約 東電と内閣府へ第三次署名提出
2011年7月20日3:10PM
「福島第一原発の廃炉を求める有志の会」が六月二二日、東京電力と内閣府に、福島原発全基の廃炉を求める署名と要望書を提出した。四月一四日、五月一八日に続く三回目の提出で、東電向け一万四○八四筆、内閣府向け一万四○八七筆、それぞれ総計九万五一○七筆、九万六一八三筆もの署名が全国から集まった。
東京電力では広報担当者二名が対応。前回、録音の用意をしていなかったことを「不誠実」と詰問されたためか、ICレコーダーの録音のほか、書記一名が同席した。
被災地の原状回復、汚染除去、被災住民の健康管理・救済・補償、農漁業者・中小企業等への補償、原発作業員の労働環境の改善・放射線防護・健康管理など、多岐にわたる質問に対して、自社サイトやプレス向け資料をもとに説明。下請け労働者の健康管理については「個々の協力会社や元請業者がやっている」と回答。一方で、事故直後、長靴を履かずに作業し、高濃度の汚染水で足を被曝した男性のその後については把握していなかった。数年後に発症する晩発性放射線障害については「文科省の原子力損害賠償紛争審査会で審議中のため、まだ確定していない」とした。
内閣府では前回と同様、大臣官房総務課の三人が応対。有志の会のメンバーらが被曝実態の把握や放射線汚染地域への対応、東電への指導の徹底などを要望した。
発起人である古荘斗糸子さんは「福島の人々の東電への怒り、恨みを痛いほど感じる。(東電と内閣府の)今後の動きを注視していきたい」と語った。
(佐久間真弓・フリーライター、7月1日号)