原水禁世界大会に向け記者会見――今年は「福島から沖縄へ」
2011年8月4日3:56PM
東京電力・福島原発事故の収束の見通しがたたない中、原水禁世界大会に向けた記者会見が六月二二日、東京都内で行なわれた。
核と人類は共存できない――という理念を掲げ、毎年広島、長崎、沖縄などで世界大会を開催している原水爆禁止日本国民会議。一九五四年、米国によるビキニ環礁水爆実験によって漁船・第五福竜丸の船員らが被曝し、全国的な問題となったことを契機に、翌五五年から始まった原水爆禁止世界大会。
今年は東日本大震災にともなう東京電力・福島原発で事故が起こったことで当初の予定が急遽変わり、福島を大会のスタート地点とすることになった。また、沖縄・普天間飛行場の移設問題、オスプレイ配備、東村高江へのヘリパッド建設計画など、日米安保条約から派生する構造的問題が噴出していることもあり、最終地点は沖縄に決まった。
大会事務局長の藤本泰成氏は「沖縄の基地問題は、日米安保という国策の下で起こっている」と話した上で、「原子力発電建設も、国民が決めたのではなく、国策として推進され、今回の事故につながった。広島、長崎、沖縄、福島はつながっている」とし、今大会を福島でスタートさせ、沖縄で締めくくることの意義を強調した。また、同事務局次長の井上年弘氏は、「核時代、核文明を問うていきたい。私たちの本気度が試されている」と語気を強めた。
大会は七月三一日の福島大会を皮切りに広島、長崎を経由し、八月一一日の沖縄大会で締めくくられる予定。詳細は原水爆禁止二〇一一年世界大会オフィシャルウェブサイト参照。http://www.antiatom.org/WC/index.html
(野中大樹・編集部、7月1日号)