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元教師の分限免職取消訴訟――高裁、処分取消請求を棄却
2011年8月5日8:36PM
「残念ながら棄却。主張すればするほど悪い人間にされてしまう」
東京都の元公立中学校教師、疋田哲也さんの分限免職取消訴訟控訴審の判決言い渡しが六月三〇日、東京高裁(設樂隆一裁判長)であった。判決は昨年の地裁判決を支持、東京都教育委員会が行なった分限処分の取消請求は棄却された。疋田さんは記者会見で先のように憤る。福島晃弁護士も次のように続けた。
「分限免職のきっかけは体罰だが、研修で疋田さんの認識は改められた。懲戒事例ではもっと軽い処分が妥当。しかし、それらは顧みられることなく、判決は争い自体が『自己の不利益な事実にもきちんと向き合い反省するという、正直さ、誠実さの欠如』などと疋田さんの人格否定まで行なった。裁判を受ける権利はどうなるのか」
また処分理由には、校内への私物持ち込みや自動車通勤に対する職務命令違反の”合わせ技” も行なわれている。が、私物は教材、自動車通勤は親の介護のためで、副校長のアドバイスで通勤方法の変更届けを提出していた。だが、裁判では自動車通勤をした日として指摘されている。「学校の管理職が作った冤罪を裁判所が認めてしまっていいのか」と疋田さん。
背景には疋田さんが性教育に熱心だったことや、「日の丸・君が代」の強制に疑問を呈していたことが都教委の意にそぐわなかったのではないかという指摘もある。
(吉田亮子・編集部、7月8日号)