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「放射能防御プロジェクト」発表――首都圏36地点が「汚染区域」
2011年9月1日1:23PM
放射能被害について独自の調査活動に取り組んでいる市民団体「放射能防御プロジェクト」は八月八日、国会内で記者会見を開き、首都圏一三二カ所の土壌を測定した調査結果を発表し、うち三六地点で高濃度のセシウムによる「汚染区域」が点在している事実を明らかにした。
この調査は、六月初旬から七月中旬にかけて実施したもの。「プロジェクト」の市民が一人一カ所ずつ近辺の土壌や砂を持ち寄り、民間の調査機関で測定したデータを集計した。
それによると、以前から空間線量が首都圏でも有数に高い埼玉県三郷市の植え込みで、チェルノブイリ原発事故で移住(立ち退き)の義務が生じる「一時移住区域」に相当する九一万九一〇〇Bq=ベクレル/㎡もの数値を記録。また、千葉県松戸市(四五万五八四五Bq/㎡)や茨城県取手市(二一万九七〇〇Bq/㎡)、東京都江戸川区(二四万四五Bq/㎡)など五カ所で、同事故で移住の権利が認められる「希望移住区域」に相当する数値が記録された。
さらに同事故で、住民を避難させないが厳重に健康管理を行なうべきとされる「放射線管理区域」に相当する箇所が三〇地点もあり、福島第一原発から二〇〇キロ以上離れた首都圏で、深刻な土壌の汚染が拡散していることが判明した。
今回のようなまとまった土壌調査は初めてだが、これまで行政による調査は実施されていない。このため、「プロジェクト」は菅直人首相と一都六県の首長に早急な対応を要求。またメンバーである土井里紗医師は、記者会見で「首都圏はチェルノブイリほどの汚染はないとされてきたが、それを否定する結果が出た。行政が詳細な土壌調査に着手し、除染を含めた対応をするべきだ」と訴えた。
(成澤宗男・編集部、8月19日号)