イタリアから「脱原発」求める嘆願書
2011年9月16日5:13PM
東京電力の福島第一原発事故を他山の石とし、6月の国民投票で脱原発を宣言したイタリア。現地在住日本人の有志が、日本政府に「脱原発」政策の実現を求める嘆願書を準備し、欧州在住の日本人に賛同を呼びかけている。遠く離れた肉親や友人たちへの危惧、国民の大多数が望まない原発依存に固執する政界への義憤、周囲の親日イタリア人が安心して訪日できるように……など、8月上旬の一週間に集まった80人余りの賛同者の思いは多様だ。共通するのは、祖国存続のためには自分たちも声を上げねばという切迫した危機感だろう。
嘆願書は、急成長を遂げる自然エネルギーの世界市場で日本製品がシェアを失い、国内の新エネルギー依存度も2019年まで待たなければ2%にも達しない事実を上げ、世界の潮流に逆行する日本の現状を指摘。同時に「原爆の深い傷」を負った国として、これ以上ヒバクシャを出さない選択をするのが未来世代に対する倫理的な義務だと訴える。
当初、長崎原爆記念日の直後を予定していた提出は、菅直人前首相の退陣宣言と民主党代表選で生じた政治的空白で延期を余儀なくされた。署名活動は9月8日まで継続し、脱原発アクションウィーク中の提出を準備中。
【賛同表明】資料センター《雪の下の種》の http://www.semisottolaneve.org から嘆願書をダウンロードし、住所、日本語表記の氏名と賛同の意を記したメールに添付の上、 info@semisottolaneve.org へ。
(齋藤ゆかり、9月2日号)