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元技術者が福島原発について警告――「四号機が一番危ない」
2011年10月19日6:25PM
米国GE(ゼネラル・エレクトリックス)社の元技術者として福島第一原発の六号機を手がけ、現在は各地に「原発反対行脚」をしている宮崎県串間市在住の菊地洋一さん(七一歳)が九月二九日、兵庫県尼崎市内で講演した。
菊地さんは事故を起こした福島第一原発について、「爆発した一、三号機よりも、原子炉は空っぽでも燃料プールに大量の使用済み燃料が入っている四号機が最も危険」と指摘。「高い位置にあるプール(の壁)は、厚さが四メートルもあり、鉄よりもはるかに重いウラン燃料が詰まり途方もなく重い。しかし損傷したプールを支えているのは、工事現場の足場と大差ない鉄パイプを多数並べているだけ。もし、マグニチュード七や八の地震が起これば、ひとたまりもなくプールは崩壊し、燃料棒がばらまかれる。そうすればチェルノブイリ事故どころではない、恐るべき事態になる。米国人技術者もそれを一番心配している、こうしたことを国は一言も言わない」と話した。
菊地さんは、国が復旧作業の工程表を示して「年内にも冷温停止」と喧伝していることについて、「窒素で満たされた格納容器には誰一人入れないのに、工程表など作れるはずもない。こんな計画に基づいて四機もの建屋で作業すれば、ものすごい数の労働者被曝をもたらすことになる」と警告した。
(粟野仁雄・ジャーナリスト、10月7日号)