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第三国定住難民第二グループ――ビルマ難民家族が到着
2011年10月19日6:23PM
九月二九日、成田空港にタイのメラ難民キャンプからビルマ・カレン民族四家族一八人が到着した。昨年、三年間の予定で日本政府が開始した「第三国定住難民」受け入れの試行第二ケースだ。
難民たちは政府関係者に先導され到着ロビーからバス停に向かった。囲み取材に応じた男性(三三歳)は、「できる仕事があれば何でもやります。農業の勉強もしたい」「子どもは三人。早く日本語を覚えてビルマのことを伝えたい」と語り、バスに乗り込んだ。
日本政府は二〇〇八年末に国連の要請で再定住プログラムの試行を閣議了解。昨年秋に五家族二七人が来日した。半年の「定住支援プログラム」を委託されたのは外務省の外郭団体「難民事業本部」(RHQ)。五家族は半年間、都内の施設で日本語研修や生活指導を受けた。この間NGOや在日カレン民族コミュニティなどが支援協力を申し出たが、特定の授業参観などを除き外部との接触は許されなかった。
震災直後に三重県と千葉県の農業法人で半年の「職場適応訓練」に入ったが、地元自治体との連携はなし。特に交通の便が悪い千葉県の二家族が孤立した。
「訓練」とは名ばかりの長時間低賃金労働で、残業代もなし。通園・通学や買い出しも大きな負担となり体調を崩し、二家族は七月に職場を放棄した。
仕事や生活の相談をRHQにしても返事は「頑張って」のみ。都内のカレン民族コミュニティに相談すると、RHQから「通訳以外と連絡をとってはいけない」と注意された。
第二グループ成田到着の前日、都内で弁護士と記者会見に臨んだ家族の父親(四六歳)は、「日本に来てよかったか? 外務省やRHQに言いたいことは?」との質問に、「事実は言えない。明日日本に来る家族をちゃんと見守ってほしい」と答えた。
政府は、受け入れに積極的な地方自治体やNGO、在日難民コミュニティなどと連携し、受け入れ体制のネットワークの構築を急ぐべきだ。
(西中誠一郎・ジャーナリスト、10月7日号)