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無断・電子書籍化事件の舞台裏――旧三一書房社長を唆したサンブック
2011年10月25日1:50PM
老舗出版社・三一書房の書籍二〇〇点以上が、著作権者に無断で電子書籍化されていた事件に、倉庫管理会社サンブック(西浦善彦社長)が関与した疑いが浮かんだ。
日本で電子書籍ビジネスが始まって以来最大のこの不祥事は、『朝日新聞』のスクープで発覚し電子書籍業界に衝撃を与えたが、問題の電子書籍を配信していたデジブックジャパンの林陸奥広社長が、本誌に「サンブックの西浦社長らが岡部(清)さん(旧三一書房社長)に電子化を持ちかけ、話が始まった」とサンブックの関与を証言した。「紙の本を電子化する業務」も、サンブックと関わりの深い会社が行なったという。
取材に対してサンブックは「弁護士に訊いて下さい」と回答。同社の代理人弁護士は「守秘義務があるので何も言えない」とした。
サンブックは「ただの倉庫会社」ではない。三一労組関係者はこう話す。「組合執行部解雇などをめぐる第一次争議中の深夜、岡部氏や警備会社社員らが、組合が管理していた朝霞倉庫を襲撃。組合員を監禁し、在庫書籍を持ち去った。このとき、他の倉庫会社が断るなか『スト破り業務』を引き受け、襲撃にも関わり、その代わりに高い料金をふっかけてきたのがサンブックです」。
三一書房のサンブックへの債務は急膨張し、岡部氏は個人保証までしていた。事件の背後には、「スト破り」以来の闇があったのか?
岡部氏が、盗品販売にも似た「無断電子化」に手を染めたのは、第二次争議が起き、岡部氏が会社に姿を見せなくなって久しい頃で、従業員も蚊帳の外だった。
三一書房は長く労使争議が続いていたが、現在は、組合側が立ち上げた新社が商号と事業を引き継いでいる(八月二六日号本欄)。新社の小番伊佐夫社長は、「事実を知り、直ちに配信停止を求めた。著作権者に説明し、信頼回復に努めていく」と話している。
(北健一・ジャーナリスト、10月14日号)