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政府・民主党関係者が相次ぎ訪沖――民・自・公の連携で臨む辺野古移設
2011年10月26日2:56PM
沖縄・普天間飛行場の移設問題を進展させるためか、政府・民主党の動きが活発化してきた。
民主党の北澤俊美前防衛相が一〇月一二日から沖縄入りし、前原誠司政調会長も一一月三日からの日程で調整している。移設容認派の市関係者や議員、仲井眞弘多知事らと面談する模様だ。
一方、注目されるのは今月二六日に名護市で開かれる北部振興の継続を求める事実上の「容認派決起集会」だ。主催は「礎の会」(名護市議会野党・移設容認派)と「北部地域振興協議会」が中心である。
関係者によると、大会では沖縄本島北部の企業関係者や住民ら一五〇〇人が集い、「北部振興の継続を求める決議」の採択を予定している。一〇月一〇日付『読売新聞』(西部本社版)は、街頭で稲嶺進名護市政を批判する名護市議を写真入りで取り上げ、「辺野古移設動き加速」と報じた。記事には容認派市議や島袋吉和前市長も登場。島袋前市長は「移設実現への決起集会だ」と息巻き、「一一月には民主党前原誠司政調会長を招き、辺野古住民との対話を通じて“地元は容認”とのメッセージを伝える」と話している。
しかし、移設容認派の内情を知る関係者によると、集会の決議文に「辺野古移設」という文言を加えるか否かでもめている。昨年の市長選以降、移設に反対する「名護の民意」は重く、これまでのような支援では移設容認で活動することは到底不可能な状況。政府・民主党だけではなく、自公も含めた“連携が鍵”だと明かした。
地元二紙によると、政府関係者は「政府・与党幹部の相次ぐ沖縄入りと名護市の大会は連動しており、日米共同声明の実現に向けた流れをつくる狙いがある」と話している。加えて民主党の長島昭久首相補佐官、自民党の中谷元元防衛庁長官も来県する方向で調整しているとも。
昨年八月から政府内で重要閣僚として普天間移設の二面交渉役を担ってきた前原誠司政調会長。移設に反対する「名護の民意」をどこまで踏みにじるのか。移設容認派との“密会や交渉”は、「振興策と基地問題は別だ」と言い放ってきた政府・民主党の沖縄政策そのもの自体を根底から覆すことを意味する。
(本誌取材班、10月14日号)