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全米に拡大する「我々は99%」デモ
2011年10月28日8:17PM
ニューヨークで始まった経済格差是正を求める抗議運動「ウォール街を占拠せよ」は4週目に入り、全米に広がっている。約1000人で始まったデモは労組の参加で膨れ上がり、ワシントン、シカゴ、ロサンゼルスなど主要都市へと飛び火し、9日現在で1000以上の都市で同様の「占拠」デモが行なわれている。
現在米国の失業率は9%、国民の15%が貧困層。にもかかわらず、トップ1%の企業・富裕層が国民の所得総額の20%を占有し、40%の富を保有していると言われる。リーマン・ショック震源の金融機関が政府に救済されたにもかかわらず、経済は立ち上がれず悪化の一途。失業に追い込まれる中低所得者に救済の手は差し伸べられない。
今回のデモは「我々は99%」運動とも言われる。1%の富裕層に対する残り99%の不満、怒りから生まれたものだ。ウェブサイト「我々は99%」では人々の叫びが伝わってくる。フルタイムで働きながらも十分な食事を子どもに与えられないシングルマザー。学費ローン返済があるのに職が得られない若者など。
一部メディアはこの市民抗議を、指導者のない・明確な目標のない・連帯もない運動と批判的で、その内に沈静化するだろうと予想していた。だが勢いは止まらず、15日には全米・海外15カ国の都市で「我ら人民が力を取り返そう」と連帯占拠デモが予定されている。
(マクレーン末子・在米ジャーナリスト、10月14日号)