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派遣添乗員「みなし労働」は違法――高裁でも完全勝利

2011年11月10日2:32PM

 全国一般東京東部労組HTS(阪急トラベルサポート)支部の組合員で派遣旅行添乗員の豊田裕子さんが「事業場外みなし労働」適用の是非をめぐり、阪急交通社子会社「阪急トラベルサポート」を相手に提訴した不払い残業代請求訴訟控訴審の判決が九月一四日、東京高裁(第一民事部福田剛久裁判長)であり、昨年五月の一審(東京地裁)判決に続き、組合側完全勝利の判決となった。

 東京高裁は一審に続き、添乗員への行程の指示、日報の存在などを根拠に、「添乗員の労働時間算定は可能」と明確に判断し、「事業場外みなし労働」の適用を否定。被告阪急トラベルサポートに未払い残業代五一万三七三〇円の支払いを命じるとともに同額の付加金(ペナルティ)の支払いも命じた。

 また、「移動時間中が休憩時間である」との会社の主張を全面的に退け、「移動中であってもツアー参加者への対応が義務づけられている」とし、そのすべてが労働時間である、と判断した。

 添乗員の労働は、行程の指示書、マニュアルなどでまさに一挙手一投足が旅行会社によって管理されている。したがって労働時間の管理はできるし、また、添乗員の過重・長時間労働を防止するためにも、企業は添乗員の労働時間をきちんと管理すべきだ。今回の高裁判決は、そうした派遣添乗員の労働実態に即したものとなった。

 全国一般東京東部労組HTS支部は、「この判決をてこに、業界全体に添乗員の労働条件の改善をあらためて強く求めていく」としている。

(菅野存・全国一般東京東部労組委員長、9月23日号)

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