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岩国市「基地移転」受け入れの準備――米軍住宅用に土地を売却
2011年12月1日7:09PM
山口県岩国市の福田良彦市長が一一月八日に開かれた市議会全員協議会で、米海兵隊岩国航空基地の拡張工事のため土砂を削り取った市内愛宕山の工事跡地について、防衛省に売却すると明言した。同省側は跡地内に、厚木航空基地(神奈川県)から二〇一四年までに予定されている米空母艦載機の岩国移駐に不可欠な米軍住宅を建設する計画で、市長発言は同機移駐を承認したに等しい。
岩国市では二〇〇六年三月、井原勝介前市長が移駐について賛否を問う住民投票を実施。九割近い市民が「反対」を表明したが、その後の防衛省や市議会移駐推進派の巻き返しで、〇八年の市長選挙では井原前市長が福田現市長に敗北。福田市長はこれまで愛宕山跡地の利用について明言を避けていたが、一〇月に岩国市役所を訪れた防衛省の渡辺周副大臣から一六八億九〇〇〇万円の買い取り価格を提示され、今回の売却表明に至った。また、艦載機移駐問題については「沖縄・普天間基地からも米空中給油機が移駐予定だが、普天間基地の移転問題が解決していない以上、厚木の艦載機の先行移駐はありえない」(九月の市議会答弁)と語っている。
これについて田村順玄同市議は「米軍住宅を建設して艦載機が来ないはずがない。市長の発言は市民をだますものだ」と強く批判。再巻き返しを目指す。
(成澤宗男・編集部、11月18日号)