欧州各地に広がる「占拠せよ」デモ
2011年12月2日7:04PM
11月12日、ベルリンで「銀行は自制せよ!」の声のもと、連邦議会建物周辺を人間の鎖で包囲するデモが開かれた。参加者は約8000人。ドイツでは依然として失業率が高く、貧困層と富裕層の経済格差が拡大している。デモは政府と金融業界に対し、責任を持ち対処すること、社会的公正さに基づく富の分配を求めた。
欧州各地では先月から、ニューヨークの「ウォール街を占拠せよ」運動に呼応するように、占拠運動が広がりを見せている。ドイツでもこれまで数度にわたり各地で大小さまざまなデモが繰り広げられてきた。
今回のデモの標的には欧州中央銀行本店も入っており、世界中から金融業者が集まるフランクフルトでも約1万人が集結。同じく人間の鎖で金融街一帯を包囲した。
本店前広場では先月15日以降、「フランクフルトを占拠せよ」運動が開始され、現在も約200人が抗議の意を込め、テント生活を送っている。
ベルリンのデモではギリシャからの活動家もスピーチ。「財政破綻が明るみになり国際社会から救援物資がアテネに送られてくるが、何の役にも立たない。発足したばかりの新政権も富裕層を優遇する姿勢に変わりはない。こうした資本主義の矛盾した構造そのものが一向に変わらないのであれば問題も未解決のまま放置される」と訴えた。
(矢嶋宰・フォトジャーナリスト、11月18日号)