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中労委が不当労働行為認定――塩田さんに勝利命令

2011年12月16日6:27PM

 中央労働委員会(中労委)は一一月二九日、旅行添乗員派遣会社(株)阪急トラベルサポート(以下、HTS)が派遣添乗員・塩田卓嗣さんに対して出した事実上の解雇通告を「不当労働行為」と認定し、同社に対して塩田さんのアサイン(仕事割り当て)停止の解除とバックペイ支払いを命じた。

 HTSは二〇〇九年三月一八日、全国一般東京東部労組HTS支部委員長である塩田さんのアサインを停止(事実上の解雇)。本誌〇九年二月二〇日号で、塩田さんが旅行添乗員の置かれた過酷な労働の実態などを証言したことがその理由だ。この記事についてHTSは「虚偽の事実」としてアサイン停止の理由としたが、現在まで本誌への抗議はない。

 塩田さんを狙い撃ちにした「組合つぶし」「言論の自由への挑戦」として、組合は〇九年五月、東京都労働委員会(都労委)に不当労働行為の救済を申し立てた。今年二月四日、都労委は塩田さんへのアサイン停止を労組法で禁じる不当労働行為と認定。添乗業務に復帰させることをHTSに命じた。

 HTSはこの都労委命令を不服とし、上級審である中労委に「再審査申し立て」を行なっていた。

 組合は命令交付当日、記者会見を行なった。塩田さんは「会社がこの命令を守り、一日も早く業務に戻りたい。これを機に他の訴訟問題も含めて解決すべき」と述べ、職場復帰の決意を表明した。組合は「二度までも不当労働行為を断罪された以上、ただちに塩田さんを職場に戻すべき」と話している。

 HTSは組合との間で未払い残業代をめぐる三つの訴訟も争っており、組合側勝利の判決が出ている(会社は上告)。

(菅野存・東京東部労働組合、12月2日号)

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