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高校生の教育行政批判に騒ぐ育鵬社族――高橋史朗氏の根拠なき反論
2011年12月21日12:33PM
来年度から中学校で使用する公民教科書が今も決まらない沖縄県八重山地区において、高校三年生が投げたボールに、異様な反応を“大人たち”が見せている。
教科用図書八重山採択地区協議会(会長・玉津博克石垣市教育長)は八月二三日、教員の調査結果を反故にし、たった五分間の協議で「つくる会」系の「育鵬社」公民教科書を選定した。
こうした実態に、米国留学中「ディベート」や「情報公開」「説明責任」が民主主義の要であると学んだ八重山高校三年の城所愛美さんは、九月一日付『八重山毎日新聞』に「八重山の民主主義の行方は?」と題する寄稿をした。
〈子どもは大人の背中を見て育ちます。しっかり「ディベート」してとことん話し合い、「情報公開」「説明責任」を果たす、「真の民主主義の姿」を大人は見せてほしいと思います〉
高校三年生の正鵠を射た指摘に過剰反応したのが「育鵬社」推進勢力だ。自民党系の石垣亨市議は議会で、城所さんの寄稿を「恩師批判」だと主張。城所さんが留学した時の八重山高校校長が玉津教育長だったことを指してのことだが、「恩師を批判してはいけないのか」「そもそも本当に“恩師”かどうかは教えられた側が決めること」という呆れた声が住民の間に広がっている。
中でも悪質だったのが明星大学の高橋史朗教授だ。『日本の息吹』一一月号で高橋氏は、玉津教育長が「この生徒の渡米費用などを苦心惨憺して留学させた」「(城所さんが)一方的な偏向報道をうのみにした」と言い放っている。
しかし、城所さんの渡米費用は「全額自己負担」で親が出しており、高橋氏が間違った情報を「一方的にうのみ」にして書いていることは明らかだ。
このことを高橋氏に問うと「城所さんの件については何も話すことはない」と取材拒否。「説明責任」を果たすつもりはないようだ。ちなみに高橋氏は「親学」提唱者の一人。「親学」とは、周りに迷惑ばかりをかける親が増えているとして設けられた「親たちを対象に施す教育」なのだそうだが、高橋氏が本気で非常識な親たちを教育すると考えているのだとしたら噴飯ものだ。自らが率先して受講すべきだろう。
(野中大樹・編集部、12月9日号)