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阪急トラベルサポート賠償控訴審――本誌側の主張認めず
2012年1月19日5:47PM
本誌の取材に応じたことを理由に、旅行派遣添乗員・塩田卓嗣さんのアサイン(仕事割り当て)を停止した(株)阪急トラベルサポート(以下、HTS)を相手取り、『週刊金曜日』とライターの野村昌二さんが訴えていた損害賠償請求事件の控訴審判決が一二月一四日、東京高裁であり、大竹たかし裁判長は本誌側の主張を退け控訴を棄却した。
全国一般東京東部労働組合阪急トラベルサポート支部の執行委員長である塩田さんは二〇〇九年三月一八日、本誌の同年二月二〇日号に掲載された記事について同社東京支店長から呼び出され、質問を受け、その場で事実上の解雇となるアサイン停止を受けた。その理由が掲載記事二カ所の記述が「虚偽だ」というものであったため、本誌と記事を執筆した野村さんが「取材に応じただけの塩田さんに不利益扱いをするのは不当であり、取材する自由・取材される自由を侵害する」などと提訴した。
判決では今年三月の一審判決を踏襲する形で、HTSが問題とした二カ所の記述について「一般読者の普通の注意と読み方と基準」とすれば「被控訴人(HTS)について記載したものと認められる」とし、本誌および野村さんの主張を認めなかった。一方で、塩田さんのアサイン停止については「適法性には疑問がある」と指摘した。
塩田さんのアサイン停止についてはすでに東京都労働委員会、中央労働委員会がともに労組法で禁じる不当労働行為と認定しているが、HTSはこれら労働委員会命令を不服とし、塩田さんを職場復帰させていない。
判決を受けて、本誌の北村肇発行人は「記述に問題があれば本誌に抗議すべきで、取材に応じた者に不利益が及べば言論の自由は萎縮する。裁判所はそのことの是非を問うべきだった」と話した。
(片岡伸行・編集部、12月23日号)
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