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「被災地支援」は名目か?――中学校で自衛隊員が授業
2012年1月20日7:07PM
現職自衛隊員が中学校の道徳の授業に招かれ、自衛隊の活動をアピールしていたことがわかった。
東京都教育委員会は、二〇〇二年から全都の公立小中学校に年一回の「家庭・地域と連携した道徳授業地区公開講座」実施を義務付けた。この講座の一環として、東京・国立市立国立第一中学校は一一月五日、全学級ゲストティーチャー(GT)を招いた。一年生のあるクラスでは、自衛隊員二人が「東日本大震災・被災地支援の写真」を示し、「隊員の活躍はやさしさ・思いやりがないとできないこと」などと講義したという。
一二月八日の国立市議会定例会で、上村和子議員は「参観した保護者数人が『やさしさ・思いやりという共通テーマと全く関係なかった』と言っている。また、学習指導案に明記された隊員とは別の隊員が来たのも問題」と追及。これについて是松昭一教育長は「組織の事情で変更された」と答弁。来校した隊員は東日本大震災の現場には行っておらず、「自衛隊なら誰でも」という人選だった。
関係者に問うと、「GTのうち、福祉関係者らは町内会の人に依頼。だが自衛隊は、一年の教諭たちが東京地方協力本部・国分寺募集案内所に直接依頼し、固まった段階で久家義久校長が正式に依頼状を出した」と回答。ある教諭に「職員会議で反対意見は出ないのか」と問うと、「職員会議は議論する場でなくなりました」と答えた。
(永野厚男・教育ライター、12月23日号)