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また集団訴訟を抱えた米国トヨタ――販売店で人種差別問題
2012年2月7日12:37PM
二〇〇九年の暴走死亡事故をきっかけに米国ではトヨタ自動車に対する集団訴訟が相次いでいるが、今年に入り同社販売ディーラーに対しても集団訴訟が起こされた。韓国の現代自動車が北米で急速に追い上げる中、トヨタにとっては頭痛の種がまた一つ増えてしまったようだ。
訴えられたディーラーは「ジョン・エルウェイズ・マンハッタン・ビーチ・トヨタ」(米国カリフォルニア州)。NFLテキサス・ブロンコスのスター選手だったジョン・エルウェイが共同経営する販売店である。
PRニュースワイヤーなど複数の米国メディアによれば、同社の元セールスマネジャーのティモシー・サンドキスト氏らが「人種差別等不当労働、社会行為違反」だとして一月九日、カリフォルニア地方裁判所に訴訟提起した模様。
報道によれば同社のジェネラルマネジャーが長年、社員、従業員、顧客に対して人種差別及びハラスメントをしてきており、「くそメキシコ人」「猿」「ラクダ人間」などというステレオタイプの暴言を有色人種の従業員や車を買わなかった有色人種の顧客に対してぶつけていたという。
さらに集団訴訟の原告人代表でもあるサンドキスト氏の場合、アフリカ系米国人であることから、給料が不平等で昇進の機会も奪われていたといい、セールスマネジャーとは名ばかりで手当は支払われないまま、二〇一〇年一月に解雇されたという。サンドキスト氏は、元々販売ディーラー文化には差別が強く根付いているとも指摘している。
従業員や顧客からなる集団訴訟の他の原告もすべて有色人種だという。米法曹関係者によれば「集団訴訟はまだ原告を受け付けている段階なので、原告の人数は確定していない」そうである。
同ディーラーは売り上げ優秀で一〇年にトヨタ社長賞を受賞。“ビジネスマン”であるエルウェイ氏は、この他にもトヨタ系販売ディーラーを経営している。
ちなみに、サンドキスト氏らの代理人「サンフォード ウィットルズ&ハイスラー法律事務所」(ワシントン)は、一〇年五月に米国の大手製薬会社ノバルティス・ファーマを相手取り、人種差別不当労働行為で二億五三〇〇万ドルを勝ち取った実績を持っている。
(トヨタ取材班、1月27日号)