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【シリア】政府による国民弾圧なのか――黒幕の米英、狙いはイラン弱体化

2012年3月8日6:30PM

 ロシア外務省のミハエル・ボグダノフ副大臣は二月一〇日、緊迫するシリア情勢について「カタールと英国の特殊部隊がシリア国内で活動している」と発表した。

 すでに昨年一二月、イスラエル政府に近い軍事問題インターネットサイト「DEBKA」はシリア情勢について「カタールとサウジアラビアが、リビアやヨルダン、イラクから民兵を流入させ、テロ活動を資金援助している」と報道。

 アラブ連盟が昨年末から一カ月間派遣した「シリア監視団ミッション」の報告書によれば、国内の政府支持勢力と反政府勢力のデモ参加者による小競り合いはあったが、西側メディアが流している「政府軍による国民弾圧」といった報道は、事実として確認されていないと結論づけている。

 一方、シリア外務省は二月一六日、国連に対して書簡を提出し、同月一〇日に国内二カ所で車が爆破され、住民二八人が死亡した事件は「他国によって支援された軍事活動」だと非難した。

 米NBCテレビは二月一七日のニュース番組で、多数のスパイ用米無人機が、シリア上空を飛行していると報じている。米『アメリカン・コンサーバティブ』誌も昨年一二月一九日号に掲載した「NATO対シリア」という記事で、(1)トルコの空軍基地にNATOがシリア反政府勢力向けの武器を空輸している、(2)英仏の特殊部隊が反政府勢力に軍事訓練を施している、(3)米特殊部隊とCIAが反政府勢力に通信機を供与しシリア軍の情報も提供している――等の動きも伝えている。

 同誌はこうしたNATOや一部湾岸諸国の活動について、「『住民保護』を名目に軍事介入し、政権を転覆したリビア型の作戦を狙っている」と論評。だがシリアを打倒することで、その最大の同盟国であり、米英が攻撃準備を進めているイランの弱体化が狙われているのは間違いない。

(成澤宗男・編集部、2月24日号)

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