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労働委員会に続き地裁も認定――ゼンショーの団交拒否は違法
2012年3月9日6:30PM
牛丼チェーン店「すき家」を経営するゼンショーが、労働組合「首都圏青年ユニオン」との団体交渉に応じるよう中央労働委員会から命じられ、その命令の取消しを求めていた裁判で、東京地裁は二月一六日、ゼンショーの請求を棄却する判決を下した。これによりゼンショーの団交拒否の違法性が東京都労働委員会、中央労働委員会に続き、三たび認定されたことになる。
ゼンショーは、二〇〇六年までは青年ユニオンとの団体交渉に応じてきた。しかし、青年ユニオンがすき家における変形労働制の違法運用を厳しく追及、一万人以上いる全国のアルバイト従業員へゼンショーが時間外賃金を支払うようになって以降、青年ユニオンとの団体交渉を拒絶するようになった。
ゼンショーは団体交渉拒絶の理由として、青年ユニオンが労働組合法上の労働組合ではないなどと主張したが、都労委でも中労委でもゼンショーの主張は退けられ、団交拒否は不当労働行為であると認定されてきた。
これまでも、アルバイト従業員が時間外賃金の支払いを求めた別の裁判において、ゼンショーは「その従業員とは雇用契約はなく業務委託にあたるから時間外賃金の支払い義務はない」と、荒唐無稽な主張を繰り返して訴訟を遅延させた挙句、判決直前になって請求した全額の支払いを認めて敗訴判決を回避するなど、およそ外食産業トップとは思えない労務管理と組合敵視の姿勢を貫いてきた。
今でも組合員であるアルバイト従業員に対する昇給差別や不当な監視などが続いており、団体交渉で扱うべき課題は山積している。
ゼンショーは判決を真摯に受け止めて、青年ユニオンとの団体交渉にただちに応じるべきだ。
(大山勇一・弁護士、2月24日号)