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ドイツ緑の党議員が福島を訪問

2012年3月30日6:09PM

「原発に関する情報の隠蔽は、日本固有というよりも原子力固有のものでしょうね」とジルビア・コッティング・ウール議員。(写真/平井康嗣)

「原発はドイツでも最大のテーマ」

 ドイツ緑の党のジルビア・コッティング・ウール連邦議会議員が3月10日に来日し、福島県郡山市で会見をした。

 ドイツでは昨年の福島原発事故以後、メルケル首相が原発廃炉宣言をしている。3月11日、郡山市内の県民大会で挨拶した大江健三郎氏は、ドイツが脱原発に至った理由を国内倫理委員会の存在に見いだしていたが、ジルビア議員の話を聞くと実態は生々しくまだまだ気を抜けないと思えてくる。

 ドイツでは緑の党が連立政権に加わった1998年から2005年の間に、22年までに国内の原発全廃をすることを一度決めていた。しかし「脱原発に抵抗があった産業界は原発推進の大きなキャンペーンを組み、メルケルの保守政権へと交代した。そしてメルケルは脱原発政策をひっくり返して延命策にしたのです。今でも大手エネルギー会社は抵抗している。日本と同じシナリオです」(ジルビア議員)というのだ。廃炉宣言をしたのも福島原発事故やバーデン・ビュルテンベルク州で緑の党州首相の誕生という民意の高まりを受け、このままでは選挙を勝てないと判断したからだそうだ。不人気の消費税増税を意気揚々と進める野田首相にとっては馬の耳に念仏か。

(平井康嗣・編集部、3月16日号)

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