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国、東電、学者らの集団無責任体制を問う――福島住民が原発責任者を告訴

2012年4月2日7:32PM

告訴団の前で話す保田行雄弁護士。告訴人らの質問に答えるなどした。(撮影/瀬川牧子)

 福島県いわき市の労働福祉会館で三月一六日、「脱原発福島ネットワーク」と「ハイロアクション福島原発四〇年実行委員会」を中心とした「福島原発事故の責任をただす!福島原発告訴団結成集会」が開催された。東京電力福島原発の事故で被害を被った住民が国、東京電力の責任者、学者らを業務上過失致傷容疑などで告訴することを決定。訴訟代理人は、水俣病や薬害エイズ訴訟の保田行雄弁護士と河合弘之弁護士だ。

 当日は、南相馬市の桜井勝延市長から「(原発事故被害は)本来、金銭で償えるものではない。告訴団結成が東電の責任追及と県民をはじめ多くの原発事故被災者の励ましとなり、二度とこのような事故が起こらないことにつながることを期待している」と応援メッセージが届けられた。

 東京電力の勝俣恒久会長、清水正孝前社長をはじめ、山下俊一氏など福島県内の医師らも被告目録に並ぶ。内閣総理大臣など政治家も含めるかどうかは今後検討する。原告数は一〇〇〇人を目標としており、六月一一日に福島地方検察庁特捜部に集団告訴する方針だ。

 告訴団副団長で、原発から二〇キロ圏内に居住していた石丸小四郎さん(六九歳)は、「東電や政府は原発事故収束宣言ばかり大きく語っている一方で、刑事責任を問われていない。仮設住宅のセメントの上で生活を強いられている人の気持ちが分かっていない。この集団無責任体制は一体何だ。命ある限り闘う」と話した。

 保田弁護士は、「薬害エイズ問題、水俣病そして同原発問題には共通点がある。薬害エイズは厚生省、医者、製薬企業の集団で結成された『構造役割』があった。原発擁護の学者、政府、原子力村と一緒。しかし、今回の被害は数倍の大きさだ。水俣病も、政府側が有識者会議で被害者を涙金で黙らせようとした。東電の損害賠償に等しい」と指摘した。

(瀬川牧子・ジャーナリスト、3月23日号)

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