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再稼働阻止訴えハンスト

2012年4月17日6:51PM

「福島原発の真の地元は関東首都圏であったのであり、若狭原発のそれは関西大都市圏にありつづけてきたのではないでしょうか」と語る中嶌哲演さん(左)。

 大飯原発再稼働の動きに抗議する有志らが4月17日正午から東京・経産省前でハンガー・ストライキ(断食)に入った。国内で唯一稼働している北海道電力泊原発3号機が定期検査に入り、「原発ゼロ」が実現する予定の5月5日まで、リレーでハンガー・ストライキをつなぐ(ハンスト宣言は別途掲載)。

 同日正午からの記者会見には、3月25日から31日まで福井県庁(昼間)などで断食を続けた中嶌哲演さん(福井県小浜市の明通寺住職、70歳)が駆けつけ、次のように述べた。
「いわゆる『安全神話』も昨年3月に崩壊したのではなく、福島や若狭に最初の一基が押しつけられた時、すでに原理的にも現実的にも自らを否定していたのではないでしょうか」

「大飯原発3・4号機の『再稼働』が一点突破されれば、各地の原発群がなしくずしに再稼働され、延命がはかられていくでしょう。近未来に国内の原発が全面停止するのは、『第二のフクシマ』が続発する時であることは容易に想像がつきます」

「かつて『国策』として戦争を推進した軍国主義政権は、ヒロシマについでナガサキの苛酷な犠牲の後に敗戦を決断せざるを得なかったのでした。巨大な『原子力ムラ』の一角を担う現政権も、『フクシマ』だけではまだ懲りていないのでしょうか。わたしたち国民も、あの『1億総懺悔』の日を座して待つのでしょうか」

「さようなら原発1000万人アクション」呼びかけ人の鎌田慧さん(ルポライター)は「政府はおおむね安全だから(再稼働を)はじめると言っているが、いのちに”おおむね”はない。『絶対(安全)』とすら言えなくなった。政治家たちは自分の頭でかんがえなければならない。自分の頭で考えたら、危険で批判されている、世論の9割、8割を占めている原発の再稼働阻止の運動に敵対することはありえない」と連帯のあいさつ。

 同呼びかけ人の落合恵子さん(作家、『週刊金曜日』編集委員)は「官僚にしても政治家にしても(その多くは)人の親だろう。自分の目の前の子どもがかわいいと思ったら、その子どもにつながる同時代の子どもの命をどうして考えられないのか、と震えるような思いを感じる」と訴えた。

「原発ゼロ」となる5月5日まで経産省前で続けられるリレーハンスト。

 作家の広瀬隆さんは、政府が再稼働の根拠としている「電力不足」はデマだとして次のように指摘した。
「関西電力は去年の秋、今年の夏は25%の電力不足になると言いました。それが今年の3月12日には、13・9%不足にころっと変わった。そして私が4月5日のインターネット中継でそれが嘘であることを示したら、関西電力は4月10日の大阪府・大阪市とのエネルギー戦略会議では7・6%不足という数字を持ち出してきた」

「放射能の半減期じゃないんですよ。25が13・9になり、7・6に減ってきた。つまり、電力不足は完全なデマなんです。そのことがわかっているから滋賀県も京都府も大阪市・大阪府も反対できるんです。私は自分の首をかけてちかいますけれど、彼らが発電のプロなら絶対に電力不足は起こりません」

「経産省前テントひろば」の江田忠雄さんによると、リレーハンストへの参加を表明した人は17日正午時点で33人。形態は水と塩のみを摂取する「完全ハンスト」で期間は1日(24時間)から7日(最長)まで、自己判断で行なう。脱原発の鉢巻きと法被は「テントひろば」で準備しており、多くの人の参加を呼びかけている。参加希望は、東京・経産省前の「テントひろば」で受け付けている。
(伊田浩之・編集部、写真も)

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