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東京・教育の自由裁判をすすめる会――都教委に議論の場を要望

2012年5月1日2:02PM

「東京・教育の自由裁判をすすめる会」は四月五日、東京・日本教育会館で記者会見し、今年一月と二月に出された「日の丸・君が代」強制に関する最高裁判決の趣旨にもとづいた対応を東京都教育委員会に迫るアピールを発表した。

 共同代表の一人、堀尾輝久東京大学名誉教授は、判決が「君が代」斉唱の強制は合憲だとしながらも、処分の適切性に疑問を示して減給や停職処分は裁量の範囲を超えるとして取り消したことは評価。その上で「教育に強制はなじまない」ことを前提とした都教委との合意をつくるべく、議論の場の設定を要望した。

 野田正彰関西学院大学客員教授は、大阪で国旗・国歌の強制は間違っているとの新聞投稿をした教員が、それまでのオールAの評価をオールDにされ、転校命令と今後ボーナスなし研修なしの見せしめ的処遇を受け、自殺一歩手前にまで至った事例を報告。同様の事例はたくさん生じているという。

「子どもと教科書全国ネット21」の俵義文事務局長は、文部科学省が「日の丸・君が代」をどう扱っていこうとしているかを説明。例として光村図書が制作していた教科書に出征兵士が「日の丸」を手にした人々に見送られる絵を挿入したところ、検定官から描かれていた「日の丸」を全部削除するよう口頭で圧力がかけられたという。「日の丸・君が代」が戦争と結びついていた事実に児童・生徒が気づかないようにしていると指摘した。

 小森陽一東京大学教授は、都教委は最高裁の判決の趣旨に基づき、少なくともこれまでに出した減給と停職処分はすべて取り消すべきだと主張した。

(糟谷廣一郎・編集部、4月13日号)

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