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米国でも二分する日本参加の是非――日比谷でTPP参加の阻止集会
2012年5月24日6:22PM
オバマ米大統領との日米首脳会談で、野田佳彦首相がTPP(環太平洋戦略経済連携協定)交渉へ参加表明するのを阻止しようと、四月二五日、東京・日比谷公園で集会が開かれ、三〇〇〇人以上が集まった。
主催者を代表してJA全中(全国農業協同組合中央会)の萬歳章会長が「日米首脳会談のお土産にするほど軽いものではない」「震災と原発事故からの復旧復興に傾注すべきだ」と強調すると、被災地から駆け付けた宮城県生活協同組合連合会の加藤房子常務理事が「復興復旧が遅れて将来展望が見いだせない中、生活保護受給者も増加。なぜ今TPPなのか」と疑問を投げかけた。
政党関係者の挨拶では、内山晃新党きづな代表がBSE(牛海綿状脳症)感染牛が米国で発見されたことを挙げ、「TPP反対は日本を守るためのたたかいだ」と訴えた。
夕方からは「STOP TPPキャンドル集会」が同じ会場で開かれ、約五〇〇〇人が参加。集会後には日比谷公園から永田町までデモ行進をして、TPP交渉参加への断固阻止をアピールした。
結局、野田首相は日米首脳会談では参加表明をしなかったが、四月に訪米をした篠原孝民主党衆議院議員(党経済連携プロジェクトチーム=PT幹事)はこう話す。
「米国の保険や製薬業界などはTPP賛成ですが、民主党支持で政治力が強い自動車業界は日本の参加に反対しています。接戦となっている大統領選を控えたオバマ大統領にとっては『国論を二分する微妙な問題は選挙後に先送りしたい』というのが本音のようです」
今回、米国側が野田首相にTPP交渉への参加表明を強く迫らなかったのは、こうした政治的な背景があるに違いない。党経済連携PTは、五月中旬を目途に党内の意見集約を目指している。TPPをめぐる推進派と慎重派の激しいせめぎ合いは当分、続きそうだ。
(横田一・フリージャーナリスト、5月11日号)
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