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自立へ向け動き出す東海村――東海第二原発の行方
2012年5月31日5:24PM
東海村の将来を考える会は五月八日、茨城県東海村の舟石川コミュニティセンターに商工会、主婦、原子力関連業者などを集め、東海第二原発(日本原子力発電、以下原電)を廃炉にした場合の村の財政などについて、副村長を交えて議論をした。
挙がった意見は「村は補助金づけ。原発がなくなった場合、商工・サービス業者らは生活していけるのか」「自立できる村づくりのために、村民が話し合いできる仕組みを作りたい」といったもの。
一九七八年に営業運転を始めた東海第二原発。九九年にはJCO臨界事故も起きたが、村民の間では、原発の是非について口にすることは憚られていた。「3・11」によって声が出始めたのだ。
村上達也村長は四月四日に経済産業省に赴き、原発廃炉の意見を具申した。一方、議会は再稼働反対の住民請願を授受。原子力特別調査委員会も審議を続けている。
この住民請願を受けた際、脱原発を訴える相沢一正村議が「東海村で子育てをするお母さんが、『まず原発を止めてから原子力について考えていこう』と提案をしたことは、非常に積極的なこと」と発言すると、地元主婦らで結成されたリリウムの会は「隣県の福島で起きたことは決して他人事ではない。すべての人が自分に置き換えて考えることが必要」と応じた。
調査委員会には村議ほぼ全員が参加。脱原発派と推進派は拮抗し、六月議会の前哨戦となっている。
一方、原電は六月に予定していた東海第二原発の燃料装填を、四月になって突然「未定」と発表。今後の審議の推移とともに、原電の対応も注目される。
(中村ゆうき・ライター、5月18日号)