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EUでは2009年に禁止ずみ――化粧品の動物実験に法的規制を

2012年6月5日3:51PM

関係官庁の担当官僚を集めた集会で話す福田衣里子議員。5月15日、永田町にて。(撮影/平井康嗣)

 化粧品業界では、うさぎを保定器にはめて眼に化粧品を点眼するなどの動物実験を続けてきた。しかし代替法の開発も進み、「動物の福祉」の思想も強いEU(欧州連合)では、化粧品指令により二〇〇九年には動物実験は禁止になっている。一方の日本はといえば法的規制はなく自主規制任せ。最大手の資生堂が二〇一三年までの全廃を目指すという状況である。

 そこで本年に改正される動物愛護法と薬事法で動物実験廃止を実現しようと、JAVA(動物実験の廃止を求める会)やARC(アニマルライツセンター)など六つの動物保護団体が五月一五日、初めてといえる大規模な集会を開いた。関係官庁である厚生労働省、経済産業省、環境省や代替法の検証・評価をする日本動物実験代替法評価センターの職員らが出席し、国会議員や市民団体の質疑に応じた。

 動物実験に一円も使わないという化粧品会社のラッシュジャパンもキャンペーンを展開し、今年だけで約一万七〇〇〇の反対署名を集めた。薬害肝炎の被害者だった福田衣里子衆議院議員と市民団体が協力し、同社は四月に環境省や厚労省に署名を提出した。

「厚労省では藤田一枝政務官が署名の対応をしてくれた。すると翌日に、厚労省が『皮膚感作性試験代替法及び光毒性試験代替法を化粧品・医薬部外品の安全性評価に活用するためのガイダンスについて』を発出しました。省として動物実験での代替法利用の促進を図っていく方向になったわけです」(ラッシュジャパンの秋山映美氏)

 この動きに市民団体は喜んだが、たった一日でこのような文書を作成できるはずもない。厚労省は以前から「医薬部外品のガイダンス」を棚ざらしにしていた疑念も湧く。代替法に早く取り組むことは企業にとってマイナスではないはずだ。もちろん実験動物(実験を目的に生産される動物)の命を無用に犠牲にすることもないのである。

(平井康嗣・編集部、5月25日号)

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