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沖縄県議選、10日投開票――「県外移設」の行方は?

2012年6月13日6:05PM

 沖縄県議選挙(六月一〇日投開票)が一日に告示された。その行方を注視しているのは、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を何としても推進したい日米の首脳たちだ。彼らは、県議会の現勢力(野党多数)が逆転し仲井眞弘多知事の与党が増えれば、もともと容認派だった知事の「県外移設」方針が揺らぐことを期待している。

 五月の県内紙アンケートによれば、六三人の立候補予定者中、県内移設賛成はゼロ。県政与党の自民党を含む六〇人が、国外・県外、無条件撤去と回答しており、一見すると争点はないように見える。しかし、水面下の攻防は熾烈だ。

 二月の宜野湾市長選で、批判も顧みず公式行事を欠席してまで佐喜眞淳現市長の応援に駆けつけた仲井眞知事は、その当選をワンステップとして与野党逆転を狙う。

 対する野党は、現態勢死守をめざすが、前回選挙では野党の立場だった民主党系が今回は「中立」を謳っており、野党候補は二四人(中立一一人、与党二八人の候補者)。全員当選して四八議席の半数だから、一人も落とせない。

 辺野古を抱える名護市区は定数二(現在は与野党各一)に四人(与野党各一、中立二)が立候補。県議選の結果は一年半後の市長選に大きな影響を与えると見られる。与党現職の後継者である末松文信氏(島袋吉和前市長時代の副市長。普天間移設について唯一人、回答を保留)が保守票を固め、もう一議席を野党現職の玉城義和氏と中立新人の玉城健一氏が争う形になっている。玉城健一氏は民主党の玉城デニー衆議院議員のバックアップを受け、事務所の数も運動量も多い。彼は、自衛隊の沖縄配備を「強化すべき」としており、背後に政府の意図も垣間見える。

 県民が猛反対しているMV22オスプレイ配備を、米軍は七月に那覇軍港へ搬入し組み立て、一〇月にも普天間飛行場に本格配備する意向を示す中、普天間移設、オスプレイ配備、自衛隊、震災ガレキ受け入れ、仲井眞知事が推進するカジノ問題を含め沖縄の今後の方向を左右する選挙となりそうだ。

(浦島悦子・フリーライター、6月1日号)

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