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レンジャー部隊の訓練中止を――練馬区民ら申し立て

2012年6月20日6:05PM

 顔に迷彩色顔料を施し、迷彩服・鉄帽姿で小銃・銃剣を装備した陸上自衛隊のレンジャー部隊が六月一二日の日中、東京都内の市街地で「行進訓練」を予定していることに対し、練馬区民らは四日、「平和的生存権と生命・身体、平穏に生活する権利を脅かす違憲行為」として同訓練の禁止を求める仮処分を東京地裁に申し立てた。一一日に判断が示される見通し。

 同訓練は、陸自第一普通科連隊(隊長=石井一将・一等陸佐)から四月八日に板橋区長と練馬区長、三カ所の関係警察署長あてに通知された。通知によると、レンジャー訓練生三〇人は一二日早朝に東富士演習場から中型輸送ヘリで発ち、午前八時から八時三〇分の間に板橋区の荒川戸田緑地に到着。迷彩服で小銃携帯などフル装備で河川敷から一般道に入り、練馬駐屯地に至る約六・八キロメートルを二列隊列を組み行進する。

 経路には都営三田線の西台駅前や東武東上線の東武練馬駅前、商店街や住宅地も含まれ、通勤通学の時間帯に当たるため、地域住民から抗議と不安の声が上がった。

 今回の訓練コース近隣に住む申立人らは第一回審尋期日の五日に東京地裁内の司法記者クラブで会見を開き、「昭和一ケタ生まれだが、こういうことを一度許したらエスカレートする」「訓練は住民に周知されておらず、安全対策が不十分」「陸自は市街地やアスファルトに慣れさせることが訓練の目的だと言うが、理由にならない。なぜ武器を持って街を歩く必要があるのか」などと訴えた。

 代理人の種田和敏弁護士は「このような訓練はベトナム戦争時以来四十数年ぶりだが、白昼堂々、人口の密集する市街地での武装行進はなかった。許してはならない」と述べた。

(本誌編集部、6月8日号)

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