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福島原発告訴団の思い【番外編】 1324人もの福島県民による集団刑事告訴
2012年6月28日4:51PM
「原発事故の責任をただす!」
そう大書きされた横断幕を先頭にして、総勢230人からなる福島原発告訴団が訪れた福島地検(福島市)の空間放射線量は、敷地内の駐車場で毎時1マイクロシーベルトを超えていた。
福島原発告訴団は6月11日、原発事故を引き起こした東京電力の幹部や国の関係者ら33人の刑事責任を問う告訴・告発状を福島地検に提出した。容疑は業務上過失致死傷罪など。原発事故で直接の被害を受けた「告訴人」として告訴・告発状に名を連ねた福島県民の数は、県外に避難中の人も含め実に1324人。前代未聞の規模である。
この日の告訴・告発の模様は新聞・テレビがこぞって全国ニュースで取り上げた。「事故の責任を問わずに福島の真の復興はあり得ない」と考える告訴団の「思い」が、全国に届けられた瞬間だった。
告訴・告発状提出後の会見で、弁護団の保田行雄弁護士は「原子力安全・保安院のしたことは、薬害エイズ事件の際の厚生省薬務局とまったく同じ。福島県放射線健康リスク管理アドバイザーとして住民に被曝を強いた山下俊一・福島県立医大副学長らにしても、今回の告訴を受け、さっさと福島県から去っていただきたい」と発言。会場は拍手で包まれた。
告訴団と弁護団では、全国に告訴人の輪を広げた第2次の告訴・告発状提出を、この10月にも予定している。
【福島原発告訴団のHP】http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/
〈明石昇二郎・ルポライター。近著に、福島原発告訴団発足の模様を描いたルポ『刑事告発 東京電力』(金曜日刊)。6月15日号〉