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飯田哲也氏が山口県知事選出馬――上関原発中止を訴え

2012年7月10日5:27PM

「環境エネルギー政策研究所」の飯田哲也所長が六月二二日、山口県知事選(七月一二日告示、二九日投開票)への出馬を山口市内で正式に表明した。三五年前に故郷の山口を去った後、シャッター街が広がっていく様子を目の当たりにした飯田氏は「太陽光や風力など再生可能エネルギーへの投資拡大で山口を活性化したい。地域分散型の自然エネルギーへのシフトが世界中で起きており、欧州の小さな寒村が賑わいのある街に変わっている。山口で世界のモデルとなるいいもの(地域振興策)を作りたい」と主要政策をまず訴えた。

 中国電力が進める上関原発計画に対しては「予定地周辺は奇跡の海で、計画中止をしてエコツアーの場としたい」と明言。出馬の理由については「福島原発事故がなかったかのような安全神話による原発依存の方向に国全体が急速に戻っていることに危機感を覚えている。新しい歴史の流れを山口で作れるのではないかという動物的カンが働いた」と話した。

 飯田氏は橋下徹大阪市長のブレーンとして「再稼働なしでの電力需給計画」を具体化する牽引車役を務めてきたが、これに関連して「(長州出身の)維新のDNAが騒いで本家本元が立ち上がり、橋下市長に代わって中央政府の逆回転を止める役割を担うということか」と聞くと、こう答えた。

「対岸にある『伊方原発』(愛媛県)や、風下になることが多い『玄海原発』(佐賀県)で事故が起きれば、山口県は被害を受ける。『被害地元』として大飯原発再稼働の議論をした大阪府市と同様、山口県でも議論が可能。ただ山口の孤軍奮闘では(逆回転阻止は)簡単にはいかない。国民の八割が脱原発を支持、政府の再稼働のデタラメな手続きにも怒っている。私の動きに呼応して他にも動きがどんどん出てきて『原発依存の空気に戻りつつある流れが変わるかも知れない』という変化に期待している」

 飯田氏に加え、元国土交通審議官・山本繁太郎、民主党衆院議員・高邑勉、元県健康増進課長・三輪茂之の四氏が立候補表明した山口県知事選から目が離せない。

(横田一・フリーライター、6月29日号)

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