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都教委が全都立学校に依頼――勤務中に拉致問題署名
2012年7月11日6:44PM
「なぜ一民間団体の署名に教育公務員を巻き込むのか」
多くの東京都立学校(交通・水道等、都の他局も)で勤務時間中に「すべての拉致被害者を早急に救出せよ」と題する、拉致被害者家族連絡会(飯塚繁雄代表)と救う会(西岡力会長)の首相宛署名用紙が回されたことが波紋を呼んでいる。
ある特別支援学校では六月一二日、都知事本局の出した「職員の皆様へ、署名にご協力ください」という紙の脇に「全員お願いします。最後副校長まで」と赤ペンで書き添えたものが回った。校長が職員朝会で連日、「署名に協力を」と発言した学校も。ある高校教諭は職員会議で「〇二年の日朝平壌宣言では拉致問題と植民地支配の清算は同時解決と約束。一方だけの署名は、結果的に拉致問題の解決を妨げる」と反対意見を述べた。
保護者ら都民が一五日に都教委教育政策課、二〇日に知事本局調整課を訪問し質すと、都教委、知事本局とも担当者は「地方公共団体は国と連携を図り拉致問題で国民世論を啓発」を努力義務とした「拉致問題その他北朝鮮当局による被害者人権侵害問題への対処に関する法律」を示し、「任意でのお願い」だと説明した。
知事本局の文書は救う会のブルーリボン・バッジの販売も宣伝。「職員の皆様方におかれましても、ぜひ着用に御協力を」と明記している。都民側は「都教委は二〇〇〇年春、国立市立小学校の卒業式で、ピースリボンを着けた教諭を地方公務員法の職務専念義務違反で処分対象にした。整合性は」と追及。知事本局は「ピースリボンは校長の国旗掲揚という職務に反対する意思表示。だがブルーリボンは拉致問題の解決を純粋に願うので着用は職務に反しない。憲法第一九条の禁じる思想差別ではない」と答えた。だが「添付文書は制裁にも言及している」と問われると、「救う会の文書だから」と責任回避するような発言に変わった。
(永野厚男・教育ライター、6月29日号)
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