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今期も南監査役は留任――フジ株主総会で批判
2012年7月18日6:03PM
フジ・メディア・ホールディングス(フジHD)の株主総会が六月二八日に東京都港区台場のホテルで開かれたが、報道関係者には総会の様子を映し出すモニタールームさえ用意されず、終了後にブリーフィング(簡単な報告)が行なわれるだけという隠蔽体質丸出しの対応だった。
総会開始の一時間前からは「反リストラ産経労(労働組合・反リストラ・マスコミ労働者会議・産経委員会)」が、総会会場の最寄り駅の台場駅前で「福島原発事故の東京電力・南直哉元社長はフジHD、フジテレビの監査役を辞めろ!」と銘打ったビラを配布、街宣活動も行なった。反リストラ産経労の松沢弘氏はこう話す。
「今年の株主総会の最大の焦点は去年と同じく、東電からフジHDとフジテレビの監査役に“天下った”南直哉元社長が留任するのか否か、でした。去年の総会では『原発事故隠しで引責辞任をした人物が公共性の高いマスメディアの監査役となっているのは大きな違和感がある』『南監査役は、原発事故隠しという犯罪に手を染めた“泥棒”が“警官”になるようなものだ』という批判が出ました」
南元社長は二〇〇二年に発覚した柏崎刈羽原発の点検記録改竄事件で引責辞任をした後、〇六年にフジテレビの監査役、〇八年からはフジHDの監査役にも就任していた。だが「フジテレビの原発報道が東電や政府寄りになっているのは、南監査役の“天下り”の見返りとして東電をはじめ電力業界から受け取っている巨額の原発マネーのせいではないか」という癒着を疑う声も出ていた。松沢氏ら反リストラ産経労が「フジHDやフジテレビと東電の癒着を断ち切るために南監査役は辞任するべきだ」と訴えたのはこのためだ。
しかし、総会でフジHDは「原発報道に関して萎縮している点はない」と南監査役の留任と報道内容の関連性について否定した。また南監査役自身に関しても、「引責辞任の経験を含め、経営者としての能力を評価している」と留任の妥当性を主張、辞任要求を突っぱねた。フジHDの体質は、去年と何ら変わっていないようだ。
(横田一・フリージャーナリスト、7月6日号)
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