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陸自が「災害対処」名目に都内で訓練予定――区議、住民らが防衛省に抗議

2012年7月24日4:52PM

対応した職員を問いただす住民ら=7月10日・防衛省。(撮影/片岡伸行)

 陸上自衛隊が再び物議を醸す大規模訓練の実施を東京都内で計画している。七月一六日夜から翌一七日朝にかけて、都内二三区内の都立公園や区役所に迷彩服を着た部隊が展開するというもので、都内全域に及ぶ自衛隊単独での部隊展開は初めて。訓練の中止を求める日本平和委員会の佐藤光雄代表理事と二三区の区議、住民ら約二〇人は一〇日午後、防衛省を訪れ、訓練の中止を求めた。

 展開訓練を実施するのは陸自第一普通科連隊(東京・練馬区)。同隊については先月一二日、朝の通勤・通学時間帯に練馬区などで迷彩服で武装したレンジャー部隊の行進訓練を実施し、周辺住民から中止を求める申し立てが裁判所に出されたばかり。今回の計画によると、約三一〇人が迷彩服着用で一六日午後七時から順次、練馬駐屯地を出発、翌一七日午前にかけて駒沢公園や上野公園、水元公園、舎人公園などの公園や各区役所へ向けて行進する。「災害対処」が名目だが、都民の参加はなく自治体もほとんど関与しない。

 同日は、防衛省運用企画局事態対処課の職員は質問に答える形で「首都直下型地震に対応する訓練で、自治体と連携し実施するもの。住民への周知も自治体にお願いした」などと説明。これに対し住民側は「嘘を言っては困る。連携を拒否している自治体もあり、住民の参加もない。周知もされていない。北区はお断りした」などと抗議した。二三区のうち一三区が今回の訓練受け入れを拒否しており、防衛省側は返答できなかった。

 佐藤代表理事は「自治体や住民抜きの災害対処などあり得ない。これは防災の名を借りた軍事訓練だ」と述べ、同行した種田和敏弁護士も「自衛隊法では、災害出動は関係自治体からの要請が前提となる。今回のように自衛隊が単独で周知もせずに実施することになると、自衛隊法の建前に反するのではないか」と疑問を呈していた。

(片岡伸行・編集部、7月13日号)

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