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朝鮮学校差別、税金だけは増税
2012年8月7日5:30PM
「家計が苦しく、修学旅行に参加できなかった同級生もいた。適用されていれば、と思うと悔しい」
今年3月、大阪朝鮮高級学校を卒業し、現在、東京大学1年生の申泰革さんはこう訴えた。
7月18日、衆議院第二議員会館で「朝鮮学校への高校無償化の即時適用を求める院内集会」が行なわれた。高校無償化制度が始まり2年4カ月が経過したが、いまだに日本全国の朝鮮学校10校が適用除外のまま。一方、この間、朝鮮学校と同条件の2校が当初から申請している朝鮮学校を追い越し、審査に合格。計37の外国人学校が適用を受けている。田中宏・一橋大学名誉教授は「民主党マニフェストで唯一実現した貴重な法案なのに、教育の機会均等を奪った状態で本末転倒。至急、結論を出すべき」と参加した十数名の議員に指摘した。
この制度の恩恵を受けぬまま朝鮮学校を卒業した子どもたちは延べ1000人をはるかに超え、被害は深刻だ。高校無償化施行に伴い見直された扶養控除(16~18歳の特定扶養控除の上乗せ部分の廃止)により、税金だけは朝鮮学校保護者にのみ「増税」となっている状態だ。
主催者の長谷川泰成さんは「国が除外した結果、大阪や埼玉、宮城など多数の地方自治体が、既存の補助金まで止めた。国のお墨付きを受けた差別の横行を一刻も早く止めなければ」と語る。
(金涼子・フリーライター、7月27日号)