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山口県知事選で飯田氏が大健闘――地元で新組織設立を宣言
2012年8月20日5:07PM
七月二九日投開票の山口県知事選で、自公推薦の山本繁太郎氏が初当選をした。「環境エネルギー政策研究所」所長で、橋下徹大阪市長のブレーンを務めた飯田哲也氏との実質的な一騎打ちで、山本氏の二五万二四六一票に対して飯田氏が一八万五六五四票にまで迫った。この二人の他に、元民主党衆議院議員の高邑勉氏(五万五四一八票)と元県職員の三輪茂之氏(三万七一五〇票)が立候補していたが、高邑氏と三輪氏の票を飯田氏の票に足すと、山本氏の票を上回るため、「この二人が立候補していなかったら、飯田氏が勝っていただろう」(地元の政界関係者)。
山本氏を支援した自民党関係者もこう話す。「飯田氏は大健闘をした。地元の衆参国会議員六名中五名が自民党、県議会でも自民党と公明党で約三分の二の議席を占める山口で、約六万七〇〇〇票にまで迫ったのには驚きました」。
中国電力が進める上関原発の建設計画やオスプレイ搬入への対応などが争点だったが、投票率は、四五・三%で、前回の知事選に比べて八・一%上回った。
「従来の『現職知事対共産党系候補』という構図が崩れ、飯田氏の出馬で『既成政党とは違う新しい政治が始まるかもしれない』という期待感が広がり、投票率アップとなったのでしょう」(地元記者)
投票翌日の三〇日、飯田氏は坂本龍一氏との対談で、「知事にならなくてもできることは山のようにある」として山口での「エネルギー維新(自然エネルギー拡大による地域振興)」などに取り組む考えを示し、新しい山口を作る市民ネットワークの設立も宣言した。
今回の山口県知事選は、既成政党への不信感や脱原発依存を打ち出す第三極への期待感を浮き彫りにすると同時に、自然エネルギー拡大への取り組みが新しい政治勢力を生み出す原動力になる可能性を示唆するものだ。これからも山口から目が離せない。
(横田一・フリージャーナリスト、8月3日号)
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