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田中氏だけでなく、更田氏、中村氏も欠格人事――原子力規制委は「違法性ムラ」
2012年8月23日5:42PM
原子力の規制を主眼とする原子力規制委員会の委員(長)候補について「違法性がある」との指摘が、八月一日、衆議院第二議員会館の院内集会で提起された。
提起したのは脱原発弁護団全国連絡会の河合弘之、海渡雄一両弁護士。両氏が指摘しているのは、委員候補のうち更田豊志氏と中村佳代子氏。原子力規制委員会設置法の七条七項三には「原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理若しくは廃棄の事業を行う者、原子炉を設置する者(後略)」については「委員長又は委員となることができない」と定めている。
更田氏が勤める日本原子力研究開発機構は使用済み核燃料の「再処理」を事業内容の一つとしており、高速増殖炉「もんじゅ」の設置主体。中村氏が勤める日本アイソトープ協会も、原発の「廃棄」を手がけており「法が定める欠格要件にぴったりあてはまっている」(海渡氏)ことになる。
このことを本誌が内閣官房の原子力規制委員会準備室に尋ねたところ「要件は、委員に任命される時点での話。委員に就任する時に辞職していれば法には抵触しない」と説明した。
委員長候補に挙がっている田中俊一氏についても、同氏が勤める高度情報科学技術研究機構の昨年度の収入合計額七億一二二一万円のうち、五億二〇八九万円が、更田氏が勤める日本原子力研究開発機構からの事業収入であることが、社民党の服部良一衆議院議員の調査によって明らかになった。
田中氏は八月一日、衆参の両院議員運営委員会で「(原発事故は)どんなに反省しても反省しきれるものではない」と述べたが、その実「原子力ムラ」との密接な関係は絶っていないようだ。
野田佳彦首相は三日、規制委について「適任だと思う」として人選見直しの素振りすら見せていない。「脱原子力ムラ」はいよいよ字面だけの話になりつつある。
(野中大樹・編集部、8月10日号)
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