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市民提示の候補案は無視――野田内閣が規制委人事を決定
2012年10月1日4:04PM
野田佳彦内閣は九月一一日、原発の安全規制を一元的に担う原子力規制委員会を一九日に発足させ、候補に挙がっている委員長と委員計五人を任命することを決めた。
委員長は前内閣府原子力委員長代理の田中俊一氏、委員には日本原子力研究開発機構の更田豊志氏、日本アイソトープ協会主査の中村佳代子氏などがおり、「原子力ムラ委員会」との批判が市民、弁護士らから挙がっていた。
このうち更田氏と中村氏は原子力規制委員会設置法七条七項三号の「原子力事業者等を外す」という規定に抵触する可能性があり、その違法性が指摘されている。
七月二六日に内閣から人事案が提示されて以降、野党だけでなく与党からも反発の声があがった。また、閣議決定したとはいえ国会同意人事であるため、次の国会で議会の審判を浴びることになる。
一方で、eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)拡大規制庁チームは、法に抵触しない形で規制が担える人物を政府に提示している。以下の六氏。
吉岡斉(政府事故調査委員/九州大学副学長)、後藤政志(ストレステスト意見聴取会委員/原子炉設計)、田中三彦(国会事故調査委員/原子炉設計)、石橋克彦(同/地震学)、崎山比早子(同/放射線防護)、渡辺満久(東洋大学教授/変動地形学)。
六人は、候補案として挙げられることを承認しているという。
一〇日に告示された民主党代表選の共同会見では、立候補した野田佳彦首相、原口一博元総務相、鹿野道彦前農相、赤松広隆元農相のうち、規制委人事の見直しに言及したのは原口氏のみ。自民党総裁選では争点にすらない。
国際環境NGO「FoEジャパン」の満田夏花さんは「首相による任命は国民と国会を軽視しており、許されるものではない。民主党代表選でも争点になるべきだ」と訴えている。
(野中大樹・編集部、9月14日号)
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