【タグ】とすねっと|再開|区域外避難者|原発事故|子ども被災者支援法|東京災害支援ネット|無料化|福島第一原発|要望書|離散|高速道路料金
「とすねっと」が要望書提出――区域外避難者に支援を
2012年10月2日5:49PM
東京電力福島第一原発事故における国からの避難指示が出ていない地域からの避難者(区域外避難者)への支援を訴える集会が九月六日、衆議院第一議員会館で開かれた。ボランティア団体「東京災害支援ネット(略称「とすねっと」、森川清代表)」と避難者有志の主催。
六月二七日に「原発事故子ども被災者支援法」が公布・施行されたが、基本方針の策定や予算化は依然として未実施。一方で「とすねっと」によれば、避難者、特に区域外避難者は一家の生計の担い手を地元に残し母子のみで避難しているケースが多く、彼らの多くは家族がバラバラに暮らす二重生活を余儀なくされた結果、生活費が逼迫しているという。
「とすねっと」が八月に震災・原発事故の避難者二〇〇人以上を対象に行なったアンケート調査では、避難者の五八%が「以前は同居していた家族と離れて暮らしている」と答えたほか、区域外避難者に限れば六三%が離散状態にあると回答。生活費に関しては回答者の七五%が「増加した」と答えており、その一カ月あたりの増加額は、平均約六万五五〇〇円に上っている。
これに追い打ちをかけたのが、原発事故被害者を対象とした高速道路料金無料の措置が今年三月末に打ち切られたことだ。多くの避難家族が週末ごとに会う機会すら奪われている。同じ調査によれば、「離れて暮らす家族がいる」と回答した人の家族と会う頻度は、今年四月以降に月平均二・九二回から一・五二回へと激減。集会では避難中の子どもからの「お父さんに会いたい」というメッセージが読み上げられた。
「とすねっと」では「政府に対する要望書」を野田佳彦首相以下関係閣僚に提出。支援法の支援対象地域を福島県全域に加え、少なくとも空間放射線量が年一ミリシーベルト以上観測された地点を有する市町村に指定するよう求めたほか、高速道路料金の無料化措置の基本方針の策定を待たず直ちに再開するよう要求している。
(古川琢也・ルポライター、9月14日号)
【タグ】とすねっと|再開|区域外避難者|原発事故|子ども被災者支援法|東京災害支援ネット|無料化|福島第一原発|要望書|離散|高速道路料金