【タグ】ワタミ|ワタミフードサービス|全国一般労働組合|労災|労災認定|渡邉美樹|自殺|過労死
渡邉ワタミ会長は話し合いの場に――過労死遺族が申入れ
2012年10月11日2:58PM
「ワタミという会社はどのように娘を死に至らしめたのか。誰が、何が、娘を死に追いやったのか」――。二〇〇八年六月に過労自殺したワタミフードサービスの元社員・森美菜さん(当時二六歳)の両親が九月二〇日、東京都大田区のワタミグループ本社を訪れ、渡邉美樹会長以下経営陣との協議を求める申し入れを行なった。
美菜さんは〇八年四月ワタミフードサービスに入社。だが月一四一時間の時間外労働に加え、休日もボランティア活動などが事実上強制される中、入社二カ月で飛び降り自殺した。
父・豪さんと母・祐子さん夫妻は、美菜さんの死が労災認定された今年二月以来、ワタミ代理人との二度の和解交渉で、(1)謝罪(2)再発防止(3)損害賠償――などを要求。だが、代理人は「示談には応じるが、安全配慮義務違反があったとは考えていない」とし、あくまで同社の過失を否定。そのため、労働実態を知るはずの経営陣に直接の説明を求めるに至ったという。
申し入れには夫妻が先日加盟した全国一般労働組合東京東部労組の須田光照書記長が同行した。
豪さんは申し入れ時、「私たち遺族にとって、これは“殺人事件”です」と断言。「娘を死に至らしめた“殺人犯”がワタミの業務であるならば、その実態が明らかになって初めて(和解の)協議ができる」とし、「その“殺人犯”を探し出し、追放しない限りまた“殺人”が起きる」と再発防止への強い思いを語った。
申し入れへの回答期限は一〇月一日。ワタミは「期日までに回答を行なう予定」としている。
(古川琢也・ルポライター、9月28日号)