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東大農場売却で絶滅危惧種オオタカの危機
2012年10月16日5:50PM
絶滅危惧種に指定されているオオタカ、ハイタカ、キンランなど希少生物が多数生息している東京都・西東京市にある東京大学農場・演習林。約10万坪の広大な農場は今、東京都の都市計画道路と同大のキャンパス整備計画の、二つの計画によってその生態系が変貌の危機に瀕している。
都市計画道路は、この地域の交通渋滞が市民生活や経済活動に影響を与えているとして都が推進しているものだが、計画が最初に立ち上がった1967年から45年が経過している。都市計画道路の進捗に合わせて進められているのが同大のキャンパス整備計画だ。大学内の組織改編にともない、同大は農場の一部を売却し、その売却益をキャンパス整備費に充てるとしている。
東京都自然環境保全審議会の規制部会では先月、同計画について4回目の審議を実施。規制委員から「営巣中やエサ持ちのオオタカにどのような影響を与えるのか、予測がつかない」といった質問が相次いだが、東大の事業者代理として出席したUR(独立行政法人・都市再生機構)関連会社などは「できるだけ配慮する」といったあいまいな回答に終始し、部会は「条件を付けて認可相当」という結論を下した。今後、本会議に諮る見通しだ。
「都市計画道路 田無3・4・7を考える会」の藤川利子さんは「オオタカは営巣中だけでなく餌取りにも来ているため、工事が始まれば棲めなくなる。生物多様性が叫ばれる今日、東京大学のすることか」と批判している。
(野中大樹・編集部、9月28日号)