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韓国で日本のパンクバンドがライブ――竹島あっても「隣の奴を愛せ」

2012年10月22日5:43PM

SYSTEM FUCKERのボーカル、YU-TAさん(左から2番目)。(撮影/竹内一晴)

 「最近、上の奴らがごちゃごちゃとうるさいことを言ってるけど、俺たちの仲は絶対に引き裂くことはできない。隣の奴を愛せ」

 九月八日、韓国・ソウル市内のライブハウスでソウル、プサン、名古屋を拠点とする国内外のハードコアパンクバンド一二組が出演する壮大なイベント「THE MORE I SEE Vol.1」が開催。愛知県豊田市出身のバンドであるSYSTEM FUCKERのボーカル、YU-TAさんがステージ上で冒頭のように言い放つと会場は歓声に沸いた。竹島(韓国名・独島)領有権問題で日韓関係が緊迫する最中の公演だったが、自分は「右でも左でもない」というYU-TAさんは韓国の友人たちとの関係は「何も変わっていない。それがいい」と語った。

 SYSTEM FUCKERは豊田市の駅前で約二〇年前から開催されてきたゲリラライブ「炎天下GIG」に魅了されたメンバー四人で構成。二〇一一年からは先輩バンドから引き継ぎ、近隣住民の苦情や警察の規制に抗し完全無許可の無料路上ライブを継続する。ギター担当のATSUMIさんは「ホールやライブハウスに当たり前にお金を支払ってライブをするSYSTEMへのアンチテーゼとしてやっている部分もある」と話す。トヨタ自動車の「企業城下町」として人口四〇万人を擁する豊田市だが、市内には「まともなライブハウスもない」有様。自らの手で文化を創り出す同バンドは九月九日に弘益大学前の公園での野外ライブにも出演。圧倒的なパフォーマンスをソウル市民の目に焼き付けた。

(竹内一晴・ライター、10月5日号)

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