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関電前の抗議デモで男性を逮捕――いまだに続く身柄拘束に抗議
2012年11月2日2:41PM
盛り上がった反原発運動を萎縮させる目的だろうか。一〇月五日午後七時過ぎ、大阪市北区の関西電力本店前で原発再稼働に抗議するデモに参加していた兵庫県神戸市東灘区の男性(四八歳)が「警備していた天満署の警部補を押し倒して怪我をさせた」とされ、大阪府警に公務執行妨害罪、傷害罪の容疑で逮捕され、身柄拘束されている。男性は「掴み合いになって抱きつくように一緒に転んだ」などと容疑を否認しているという。
関電の南西側でデモ隊と警備の警官たちが揉み合いになり警部補を含む複数の人が倒れた。「女性に躓いた警官が男性を引っ張って自分が押し倒されたような格好にした」と証言する人も多く、警部補が男性の腕を引いているような動画も配信された。当の女性も「先に倒れていた自分に躓いた警部補が尻もちをついた」と証言した。
逮捕後も「不当逮捕だ」と天満署前でも抗議活動が行なわれ、抗議団が請願書を出そうとしたが受理されなかった。一二日にも関電前で実施された抗議活動で、大阪府寝屋川市から駆けつけた僧侶の男性は「機動隊員もたくさん来て大勢の人たちを引きずり出したりしていた中で起きた。典型的な『転び公妨』(警備中の警官などが大げさに転倒したりして公務執行妨害を捏造すること)だ」と怒る。
阪南大学経済学部・下地真樹准教授は「『転び公妨』であることは動画からもわかる。僕らは関電に抗議しており、警察は無関係。彼らは警察手帳も見せず、抗議している市民のエリアの中に入ってきている。僕らに近づかなくては発生のしようもない。警官の職権濫用罪です」と訴える。下地さんたちは警備員らに守られて帰宅する関電社員にも「放射能を出す方が暴力だ」などと抗議した。
この問題について『産経新聞』は「警部補の体をつかみ、その場で転倒させた」と断定記事にした。書いた記者は見ていたのだろうか。
(粟野仁雄・ジャーナリスト、10月19日号)
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