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東京都町田市の震災瓦礫焼却――市民団体が監査請求
2012年11月6日5:18PM
東日本大震災で発生した宮城県女川町の震災廃棄物(震災瓦礫)の受け入れ・焼却を一一月に控えた東京・町田市で一〇月一〇日、同市の市民団体が焼却の根拠となる契約が存在していないとして住民監査請求を起こした。
現在、町田市が根拠としているのは、昨年一一月二四日に東京都市長会(都内二六市の市長で組織)・宮城県女川町・東京都・宮城県の四者で交わした「宮城県女川町の災害廃棄物の処理に関する基本合意書」。東京・多摩地域の清掃工場などで震災廃棄物を「円滑に処理できるよう相互に協力すること」を合意したものだ。
しかし、住民監査請求を起こした「まちだ震災がれき焼却問題連絡会」の畔上清さんは「町田市と女川町に直接契約はなく、『合意書』を取り交わした東京都市長会は『任意団体』(同ホームページより)であり、契約の主体にはなり得ない」と契約に法的根拠がないことを指摘。地域住民への健康被害の懸念や震災廃棄物の量が大幅に減っていることなどを挙げ、焼却の中止を求めている。
すでに七月から「合意書」に基づいて焼却をはじめた東京・多摩市では、「来年三月までの焼却期間中、今月と一一月、来年二月は焼却を取り止めている。これは震災廃棄物の量そのものが減ったせいなのではないか」(同市「こどもと未来をつなぐ会」の中西幸子さん)という。「それなのに、なぜ『広域処理』なのか」とも。
焼却を担当する町田市環境資源部環境政策課は、「東京都のスキーム(枠組みをもった計画)に則って、多摩地域七つの清掃工場で行なっている。都から受け入れ量の見直しなどはなく、市では来年三月までの五カ月間で五〇〇トンを焼却する予定」と説明する。
町田市では今年八月に二回、住民説明会を実施したが、石阪丈一市長は出席しなかった。市民らは「市長は説明責任を果たしていない」として、市長出席の住民説明会開催の請願を行なったが、一〇月の市議会で否決されている。
(吉田亮子・編集部、10月19日号)